パキスタン
2023年2月13日~3月7日
ペシャワールからカラチ
3月3日
久々の?カラチ国際空港。
あたりは完全に暗い。
表にあるマクドナルドまでタクシーの客引きを避け、急ぐ。
14歳からマクドナルドをボイコットしてるので当然何もオーダーしないが、
ここまで来ればゆっくりと携帯でタクシーを呼べるはずだ。
予約したホテルを検索するとタクシーで40分以上、、
失敗した、、
安さと快適さをネット上で優先させてしまい、
郊外のホテルを選んでしまったようだ。。
タクシー代いくらが相場なのか、、
何人かに試しに声をかけ、その場所を言うと、なかなかな値段を要求してくる。。
これは参ったな、、
1時間近く経ち、そろそろ決着をつけねば、、
さっき声をかけたタクシー運転手が見かねて?こっちの言い値でOKと遠くから言ってきた。
デカくて重いバックパックも辛いし、人相も良さそうだし、
信じて乗り込む。
英語もちゃんと話せ、家庭も持つまともな人のようで
色々話も出来る。
40分くらいのドライブで有料では無いが大層な高速道路でかなり飛ばしていくので、
相当遠い場所を選んでいたらしい。。
カラチ空港が羽田だとすると調布とかな距離感か。
ともかくそんな西東京の郊外の様な雰囲気は大衆感とゲットーから出た中流家庭感というか
親近感も湧く。
https://youtube.com/shorts/FGQz0gFDVyI?feature=share
新興住宅地なのか市街地から離れると大きな家も多い。
そんなエリアに今回二泊三日予約した宿はあった。
気が合ったそのドライバー、カシムと海外では超一般的なWATSAPPで連絡先を交換する。
今回のパキスタンの旅で一期一会、一度会って気が合う人は、ただでさえ何の頼りもない、アテも無い状況の中、
まるで蜘蛛の糸の様に救いの存在だ、と痛感し、この様に継続した関係を作る様にした。
ともかく部屋に入ると、
https://youtube.com/shorts/EEnLcKpEqmE?feature=share
ある意味西欧的なゲストハウス風なロビー、リビング、キッチン。
オーナーはちょっとインチキ臭いくらい西欧的なヴァイブス。
まあともかくやっとパキスタン最終地カラチに戻り、宿に入れた。
一安心。
早速シャワーを浴びて、たっぷり浴びた砂埃を落とそう。
うーん、、
やはりぬるい。。
まあ第三世界しょうがない。。
が!
まさかのシャワールームで出血。。
結構痛い。
なんなんだこの酷い施工。。
日本の職人じゃ許されないし、賠償だろ。。
オーナーに伝えると責任逃れか、絆創膏を出すだけ、、
やはりコイツ。。
まあいきなり揉めるのもこっちも嫌なんで寝る!
起きて、周辺探索兼ね、朝食を食べれるところを探しに出る。
その前にオーナーに市内に出たいのでバイクタクシー出来る知り合いいないか、
1日付き合ってもらっていくらくらいか、と相談。
ほどほどな値段だったので午後に来てもらうように予約。
さて出発!
改めてこの宿、というか自宅だが、なかなかおしゃれ。
しかし、カラチ!
砂埃と雑踏の感じがハードボイルド。
建設途中なのか崩壊中なのか謎だが、とにかく乱雑というか、、
https://youtube.com/shorts/7rZxOnw40KY?feature=share
https://youtube.com/shorts/SkWE2LeGJtY?feature=share
散歩するには見た目がよろしくないが、異国感はたっぷり感じられる笑。
どうにか大衆定食屋みたいなところを見つけ、
ウルドゥー語はさっぱりだが、勘でオーダーしてみる。
相変わらず客も男ばかりだし、愛想もないが、
味も無骨で悪くない。
チャイの甘さが沁みる。。
タバコが切れたのでキオスクみたいなところで現地のタバコあるかと聞くが、
英語もさっぱり通じないので、お店の人がちょっと喋れる少年を呼び出し、
交流、笑。
結果、チャイをご馳走になり、タバコも無償でくれるというVIP待遇、笑。
愛想悪いのは、外国人に全く慣れてないからで、みんな交流したいんだな~
なんかあったかい気持ちになり、歩いて帰宅。
程なく、バイクタクシーのドライバーが到着。
ムハンマド。
世界中に一体何人いるんだこの名前。
とも思うが、覚えやすい笑。
おそらく身内ではニックネームがあるのだろうが、
公式な名前に個性は求めないイスラム社会。
ともかく英語もそれなりに喋れるし、
誠実そうで好印象。
ヤッラー(レッツゴー)!
https://youtube.com/shorts/2_WiPQHVg6Y?feature=share
https://youtube.com/shorts/6_LbazE7kQw?feature=share
それにしても相変わらずの混沌さ。
道も舗装されてないし、運転も全員荒いし、
普通の観光客には絶対無理だろう。。
https://youtube.com/shorts/ETDyr4fWZxw?feature=share
https://youtube.com/shorts/nYdsOLq7gVI?feature=share
https://youtube.com/shorts/5SlMnodUg6U?feature=share
目的はダニヤルが関わるフェス会場なのだが、
ビリヤニ食いたいと言ったらおすすめのレストランに連れて行ってくれた。
2階までお客さんが一杯で人気店だと伺える。
味の品が良く、値段も高くないし、納得。
そして到着!
市内の真ん中にある、東京で言ったら代々木公園の様な場所?
ちょこちょこゴミは落ちてるが、居心地のいい空間。
ロゴもかっこいい!
ステージは一つの様で人もまばら。
でも音も結構デカいし、設備もちゃんとしてる。
上記の女性はヨーロッパ系の人なのかな??
下記の女性は盲目の様だが、
流石、素晴らしい!
https://youtube.com/shorts/E8yW4UAzj0o?feature=share
以前にも書いたが、音楽に関して言えば、盲目の人は明らかに次元が高いと思ってるが、
この人も間違いなく。高い!
ちなみにこの時の音はこの曲の冒頭で使わせてもらった。
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/new-asia-2025
インド、ケララのジャングルの中で2歳ホヤホヤの息子が
ムニャムニャ言ってるのとコラージュしてみた。
『新しさ』『優しさ』
などがイメージだ。
相変わらず人はまだ少ないが、下記の様なちょっとした売店も。
ここのチャイは沢山飲んだな~
サモサなどもあって、美味しかった。
当然アルコールは無い。
だから盛り上がりもないのだが、乱れた感じも無く、
すごく健康的で健全。
段々日が暮れると人が増えてきた。
https://youtube.com/shorts/gIPYK6fPbFk?feature=share
https://youtube.com/shorts/twgeHbLWxXU?feature=share
パキスタンの民族音楽というのは基本的にインド的なものとアフガニスタン的なものに
少しオリジナリティーを持たせたものだと改めて感じる。
https://youtube.com/shorts/_MbZMJ-0ic0?feature=share
上記のは少しトルコのメブラーナを彷彿とさせる。
https://youtube.com/shorts/r5IElbqWahI?feature=share
いずれにしろパキスタンは1947年に建国してからまだ100年も経ってない若い国だ。
その国独自の文化を作るには、まだ時間が足りないということなのかもしれない。
しかしその若い国としても独自性を発揮してるのはやはりカッワーリな訳で
このカンファレンス・フェスでも、当然これでもかとカッワーリのグループが登場する。
下記は素人感がありつつも、その素朴な若々しい女性の感じが逆に好印象なグループ。
https://youtube.com/shorts/Jl2SZXVL02g
https://youtube.com/shorts/_9ENv2TXjX4
https://youtube.com/shorts/GdgVqUF42Fg
この時点でいい音楽を聴けて至福になっていたのだが、
下記のこのインドではサントゥール、アラブ系ではカヌーンと呼ばれる
日本ではお琴の原型になるであろう楽器を演奏する人は凄かった。
ビックリするくらいディープな演奏!
しかも、このディープな演奏の山場で聴衆がちゃんと拍手するところに
この地の音楽的感度のレベルの高さを感じるし、高度な知性を感じる。
小さい頃から常々思っていたことだが、日本はいつの間にか見かけや数でしか音楽を判断できなくなってる様で、
象徴的なのがアイドル文化。
現在では販売数、視聴数、フォロワー数などで実体のない音楽というものを耳の『感性』で判断できず、
アルゴリズムも追い討ちを兼ねて、知性を後退させてる様に感じる。
この人たちのメロディー、グルーヴ、その技術はとてつもなくレヴェルの高いものだが、
それを理解出来るかどうか、その相互関係が我が国にはあるのか、、ということを考えさせられた。
夜も更けてきて、人もだいぶ集まり、会場内はフェス感が漂う。
チャイを飲んだり、サモサを食べたり、タバコを吸ったり、ちょっとした会話を色んな人と楽しんだり。
無料のイベントなのでもっと人が集まってもいいと思うが、宣伝し切れてないのか、
この様な自国の民族音楽はさほど人気がないのか、、
ともかく、この後はひたすらカッワーリのグループが続く。
https://youtube.com/shorts/5VBeHYqenWA
https://youtube.com/shorts/C5VlpJbhwSw?feature=share
https://youtube.com/shorts/90GUDMe_gWQ?feature=share
いい感じだと思うが、、
ちょっと同じ感じが続き、飽きてもくる。
美味しい料理もずっと同じだと飽きるのと一緒だ。
バイクタクシーのムハンマドすらつまらないと文句を言い出す笑。
単体で聞けばすごい演奏なんだけど、、笑
しかし!
ここでラホールで録音したアクマル氏が登場!
しかも電話では話した息子と!
アクマル氏の演奏にはドライバーのムハンマドも
『この人の笛(バンスリ)素晴らしい!』と大興奮!
会場内もカッワーリでは無い演奏なのもあり笑、
集中力を取り戻した様だ。
しかしこの後もまたカッワーリが続き、ムハンマドからの文句、苦情に疲れたので
帰宅しようとなった。
この会場は安全だが、少し離れると、やはり薬物中毒者の様な男が寄ってきたり、
やはりカラチだな、、と前回の時のビーチの近くでヘロインを炙ってる子たちを思い出す。。
ともかくまたもや砂埃の中、郊外の我が宿までゴー!
https://youtube.com/shorts/qxDtE-2j1JY?feature=share
有名なデコトラも多々走る!
https://youtube.com/shorts/MnB5imrRqQw?feature=share
郊外にはパシュトゥーン系のコミュニティーも結構あって、独自な生活圏になってるという。
ともかく宿の近くのムハンマドの家の近所の売店でジュースを買って、少し話す。
彼には明日もお願いして別れる。
次の日の朝も近所を一人でぶらつき軽く朝食を食べてからムハンマドと待ち合わせして、
前日同様の場所へ向かう。
この宿の近くは感性な住宅街で割と綺麗。
https://youtube.com/shorts/qe-hYX8T82Y?feature=share
しかし、都会に近づいていくと、とにかく砂埃が酷いので、
このご時世には持っていなきゃいけなかったマスクがやっと役立つ!
自分自体は当初からコロナを完全に陰謀と捉えていたので、マスクをするなんて茶番でしかない、と思っていたが、
この粉塵は相当危険!コロナどこじゃない笑
そして夜には良くわからなかった超巨大なスラムも見る。
おそらくバングラディッシュからの難民の様だ。
その後ロヒンギャ難民のことも知るが、パキスタンは難民を受け入れているが
手厚い保護をしているというわけではなく、放置しているのだろうか。。
今まで世界各地でいわゆる貧民街、スラムは見てきたが、こんなに絶望的な場所は初めて見た。
バイクの後ろに乗りながらなので注視はしてないが、
お先真っ暗、絶望、しかない感じで、そこにいる人たちが汚れで真っ黒。。
高速道路沿いから見えるだけでも千人規模のスラム。
街、建物じゃない。
布が被せたるだけのテントと言うのも憚(はばか)れる感じの住居というか、、
前回のカラチでも一瞬垣間見た難民たちと同じ系譜なのだろうか、、
詳しいことはわからない。
しかし、その闇の深さ、暗さは瞬時に分かった。
程なく都会に入る。
デコトラの煌びやかさも先程の光景と対比になり滑稽というか、、
そして再度公園に入り、会場に向かう。
先程の光景が目に焼き付いて、ここが別の世界なのを再認識。
早速初っ端から前日も登場したアクマル氏の息子のグループが登場。
https://youtube.com/shorts/e-f_HscCsAc?feature=share
この部分はこのMOON DANCEという曲の冒頭でも使った。
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/moon-dance-2025
彼が演奏してるのはサロードという楽器でアフガンルバーブとも兄弟にあたる。
https://youtube.com/shorts/7UcTGKL3t1Q?feature=share
自分的には楽器が辿った数百年という時間を超越して繋がる『何か』を結びつけたかった。
そして、太古から続く、先ほど見た壮絶な経済的、社会的格差に対する憂いも。
それはそのMOON DANCEの映像作品で冒頭に映る新宿の駅に屯うホームレスの段ボールの寝床にも繋がる。
今もパレスチナやウイグルに対して何も改善出来ない我々の力の不甲斐なさをも想起していたし、
それ以外にもこの日本でも然り、不条理はどこにでも、いつの時代にもある。
今我々が見てる満月の光にも時差があるし、夜空に瞬く星の光も、何年も前のものかもしれない。
我々がこの世を生きる時間は宇宙の単位ではほんの一瞬だ。
何の為に産まれ、生きるのか。
幼少からずっと考えていたのだが、今もその答えは朧(おぼろ)げだ。
しかし、こうやって異国で様々な体験をして、音楽を通し、邂逅する人々。
それらの人々は常に自分にヒントを与えてくれる。
https://youtube.com/shorts/TF1IziGoJxs?feature=share
続く音も深い。
日本の虚無僧が吹く尺八の音にもそのエッセンスは確実にある。
本日2025年3月14日満月にヴァイナルでリリースされたKENJI IKEGAMIという尺八奏者・製作者の仲間と作ったこの作品も、このパキスタンでの体験から影響を受けているのは間違いない。
https://crosspointproception.bandcamp.com/album/kannon
ここではチェロという西洋の象徴的楽器と尺八の衝突と融和をイメージしていた。
裏面ではアイヌのムックリという口琴と尺八のそれをイメージしていた。
同じ日本と呼ばれる島々で育まれた両楽器は、似て非なる文化背景を持ち、
先述したチェロとの関係上ではまるでマクロとミクロでそれがある様だ。
続くアクトも真っ昼間に超DEEP。
https://youtube.com/shorts/ZuL1C_X-QFc?feature=share
完全にアル中化した日本ではあり得ない状況笑。
自分も12歳から酒浸りの人生で人の事を言える身分では無いが笑、
それでも被害者としても笑、日本は酒浸りにされて思考能力を後退させてるのは間違いない。
ノリが良いだけでは済まされないこともあると思う。
https://youtube.com/shorts/H5iw_IkTWUQ?feature=share
基本カッワーリは根底にイスラムという宗教があった上での大衆芸術でスーフィーという
日本で言ったらまさに虚無僧と同じ様に、俗に居ながらも、神の眼で観る崇高な世界を感じる、という目的があると思う。
https://youtube.com/shorts/H5iw_IkTWUQ?feature=share
下記はこの日最年少であろう13歳くらいの少年がリーダーのグループ。
確かに若いのに貫禄がある。
https://youtube.com/shorts/LllITsz8cTs?feature=share
少年の声というのはポップスでは若き日のマイケルジャクソンを筆頭に
エネルギッシュで爽やかな、そして鮮(あざ)やかさを人に与え、
楽しい気持ちにさせるものだ。
未来を感じるからか?
未来は明るいものと信じたい。
希望を託したい、という潜在意識からなのか?
ともかく引き続きカッワーリ。
https://youtube.com/shorts/BzCkKyXmygY?feature=share
おじさんの声もいい。
人生はいろいろある
楽しいだけじゃ済まされない。
そんな哀愁も込みで人生だ。
そんな感じに聴こえてくる笑。
で、例の如くムハンマドから、もう俺無理、みたいな事を言われ、
まあ同感というか同情というか、違うバイクタクシーをここから拾うのも、無事帰るのも
なかなか難易度が高いことなのもあり、帰ることにしたが、
上記のグループの右端で演奏してる人の音は今回の作品に合いそうな気がしたので、
ダニヤルに相談すると、すんなり紹介してくれ、少しは英語が喋れる様なので勧誘してみた。
思ってたよりも高いギャラを請求されたが、ここでケチってせっかくの貴重なチャンスを無駄には出来ない。
そのチャンスは明日しかないのだ!
また今度来ればいいか、という様な楽な場所ではない!笑
ダイヤルの自宅兼事務所の部屋を録音に使わせてくれる、ということも確約が取れた。
カラチ最初の録音であり、、今回のパキスタン滞在では最後の録音となる。
楽しみだ。
ということでまたまたバイクに跨り都会を脱出。
https://youtube.com/shorts/IzknjwvJBx8?feature=share
貧富の差は抜きにして物の価値は定まる。
そして
金・カネというのは本当にこの世界を席巻している。
ガソリンの値段は国によって千差万別。
これが無くなると現行の経済は破綻するのは間違いない。
パキスタンはイスラムコネクションでネタ(オイル)を引いているのだろうか?
ともかく
現在の宿の予約が明日までなので、
市街地に新たに取った宿までの送ってもらうのと、明日のレコーデイング場所への行き来もお願いした。
明日の朝は自分の家の近所のレストランで食べよう、奢るから、と言われ当然快諾して朝。
観光客など絶対来ないド・ローカルな定食屋。
シンプル、素朴だがとっても美味しい!
納豆定食、みたいな感じか?
一旦宿に戻り、デカいバックパックを背負って、小さくはないリュックを前に担いでバイクに跨る。
まあまあ危険笑。
ともかく!
落っこちそうになる緊張感の中、普段使わない筋肉を使ってやけに疲れるが笑、
どうにか都会に戻る。
そしてどうにか宿に到着し、無事チェックインも済ませ、今日払うギャラの現金が足りないので、
どこかATMが使えるところに行きたいとムハンマドに相談すると
探すのを付き合ってくれると。
彼とはこの2日間でいろいろと話した。
彼はもともと裕福な家庭で育ったが、父の死のすぐ後、その父の弟に騙され、すべての財産を奪われたらしい。
母親と兄弟姉妹とともにいきなり貧乏暮らしが10代でスタートして、バイクタクシーなど長男として頑張ってると。
先程連れて行ってくれた定食屋の上の公共団地にみんなで今も住んでいると。
兄弟姉妹や親戚と財産争いをしている話は日本でもよく聞く話らしいし、
太古の昔、それこそ旧約聖書の中にもそんな話はある。
家族って一体、、、
そんな事をいろいろと思わされたのはこの後のレコーディングにも繋がる。
ともかくATMのどこもが自分のカードを読み込まない。。。
バイクでも歩きでもいろいろ当たったが10箇所近く、約2時間くらいかけてもメイク出来ない!
殺伐としたカラチの都会の中、やけに疲れる。。。
ATMで下ろすのは諦め、予備で持ってきたドル札を換金する事にした。
換金所はもっと現実的なようで、人の出入りも多く、ATMよりも盛り上がってる。
レートはボチボチだが無事換金成功。
どうにかギリギリ行けそうな額を持っていてよかった。
という事でやっと昼食。
程なくダニヤルの家に。
部屋に入るとアクマル氏も滞在していたらしく再会。
サーランギー奏者、ムハンマド(この人も笑)もちゃんと来てくれ、早速録音スタート。
打ち込みとやるのは初めてだし、あり物の曲を演奏するわけではなく、
即興でメロディーを当てていかないといけないのでだいぶ苦労していた。
https://youtube.com/shorts/n2hNTD_vYao?feature=share
https://youtube.com/shorts/U7PzaRYR1fU?feature=share
そんな中、先程の『家族』について想って演奏してくれ、
という難題をぶつけたりしたので、さぞや苦悩しただろう笑。
しかし、ワタシには感じる。笑
彼の家族への想いを。
FAMILY
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/family-2025
ここでも南インド、ケララでの音と混ざっている。
インドとパキスタンも家族だ。
アフガニスタンからペシャワールに避難してきた人の子孫が奏でるアフガンルバーブと
エジプトのザールという音楽もこの曲では重なり寄り添う。
ザールという音楽については『エジプト編 https://thatisgood.jp/journeys-guided-by-sound021/ 』で書いたので割愛するが、
もっとも難しい家族は『夫婦』かもしれない。。
ともかく!
https://youtube.com/shorts/geeDdDrLw8c?feature=share
この時の演奏はこのJUSTICEという曲や
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/justice-2025
PURPOSE OF LIFE
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/purpose-of-life-2025
WIND
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/wind-2025
ME&COUNTRY
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/me-country-2025
CHAIN
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/chain-2025
そしてNEW ASIAでも
https://crosspointproception.bandcamp.com/track/new-asia-2025
https://youtube.com/shorts/v6Dxg_csHqI?feature=share
このサーランギーという楽器も相当古い歴史を持つようで
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%BC
WIKIによると日本でいう鎌倉時代くらいには確実に登場している物らしい。
つまり800年以上その形状を保持しているという事で、つまり利便性は低い笑
現代の楽器の様に楽に音が出るわけでもなく、素材も含め、脆(もろ)く、繊細だ。
チューニングするのも一苦労。。
彼曰く現在パキスタンでまともにサーランギーを弾ける人は彼の父と彼を含めて五人もいないと。。
え??
2億人以上いるこの国で???
まあ確かに余程の縁がないと辿り着けない楽器だし、誰が作れんだって話だし、、
日本の三味線も現在危機に瀕してるが、あらゆる民族楽器はこのグローバリゼーションによって消えていく運命にあるのだろう。。
50年後には??
幸い、インドにはまだサーランギー演奏者はいると思うので、楽器自体はあと数百年は生き延びれるかもしれないが、
この土地ならではな奏法は途絶えてしまうのかもしれない。。
その消えゆく楽器の響きを現代に、未来に継承させることはとても重要なことで、
未来を担う若者たちにその魅力を伝える努力はするべきだ。
音楽というまさに伝統をリスペクトするならば。
そして縁があって産まれた土地の音を継承することは重要な任務、使命だとも思う。
それをこの場所の主人ダニヤルはやっている。
https://leguesswho.com/news/COSMOS-2024-Embassy-Honiunhoni
彼のインタビューを今見つけれたが、自分でも彼にインタビューを録りたいと思ったくらい興味深い人物だと思う。
世界的に見ても。
彼は現在積極的に西欧諸国に先日コンサートをカラチで行っていたミュージシャン達を連れていき、
外からもそのムーブメントを起こしている。
国内だけだと灯台下暗しというか、リスペクトを得るのは難しい。
しかし外から評価されたものが、後で国内で評価されるのはよくあることだ。
今回参加させてもらったカンファレンス・フェスも今年で二十回目という。
決して生優しいところでは無いが、彼らは着実に行動している。
ともかく録音は成功!
楽器自体が持つリバーブ感が凄かった。
そしてその残響は深い歴史を感じれた。
この録音の途中、バイクドライバーのムハンマドは訳あって帰ってしまったので、
録音完了後、急遽バイクタクシーをネットで見つけ、
いろいろ悶着ありながらもどうにか宿に到着。
濃厚、濃密な体験の連続でヘトヘトだが、最後の晩餐。
やはりビリヤニだろ!と再び街に歩いて繰り出す。
なんて事のない庶民用のビリヤニ屋だったが美味かった。
チャイでも一杯飲んで帰ろうと野外喫茶店で一服。
月が綺麗だった。
ちなみにカラチでは一度もホットシャワー浴びれてない。
今まで行った街で一番貧富の差が激しく、まさに1%以外は基本貧しいと感じた。
国全体としても、場所によっては、居た堪れないくらいな貧困が存在することは明らかだ。
間違いなく文化は素晴らしいが政府、社会システムには疑問を持たざるを得ない。
そんな不条理の中、
Don’tBeEmotionalと言われたことも記憶に残る。
よきムスリム、よき大人は当然感情的にならないのは把握している。
しかし感情がない表現など、音楽などあるのだろうか。
音楽には、楽器には、民族の、人類の歴史、記憶、そして感情が詰まっている。
パキスタンには、このエリアには、未だ解明されていない廃墟になった古代都市が少なくとも二つあるらしい。
全人類が平均化され飼い慣らされる昨今、自分が興味あるのは過去だ。
決してファンタジー・幻想を求めてるのではなく、未来に対するヒントを探している。
現代に生きる我々と変わらない感情がそこにもあると思っていて、
今起っているこの不条理な現実に嘆き悲しまない者はいないと思うが、
太古から続く長い時の中、切磋琢磨して生きてきた人々の、そのタフな感情を肥やしにしていきたい。
そんなもの思いに耽っていると結局全く寝れなかったのだが、、
この当時のご時世でコロナのPCR検査の陰性判定書を空港に提出しないと帰国もできないので、、
しょうがなく、それを発行できるクリニックまで朝っぱらからバイクタクシーで連れて行ってもらう。
着いて、診断され2時間後にまた来てくれということなので
その間に家族への土産などを物色しに行ったりして、程なく戻ると、
まあボチボチな値段はするが、しょうがない。。
しかし!クリニックの医師?の青年がとてもノリの良い、良いやつでなぜかチャイとお菓子を自腹でご馳走してくれた笑。
ムカつく社会状況だが、こういうナイスな人に会うとほっこりする笑。
そしてまたホテルに戻ると、なんと昨日のフェスで最後の方にやっていたカッワーリの期待の新人少年も同じ宿だったらしく、ちょっと会話。
親近感湧く子だった。
下記は上記のホテルに飾ってあったパンジャビ系の貴族?王様?
ともかく今回の二回目のカラチの初っ端で出会ったタクシードライバー、カシムに連絡して空港まで運んでもらう。
なんと彼からもビリヤニを空港に行く途中でご馳走してもらった。
優しい。。
こういうことって日本では無いよな~
なんか人情が残ってるんだよな。。
空港で彼に感謝を述べ、いざチェックイン。
ある意味期待通り笑、ワクチン接種証明書なくて、PCR検査だけじゃゲート通過は出来ない!
なんて言ってくるイジワル女のスタッフもいたが、また違う優しそうな女性が裏でなんか言ってくれ、
どうにか通過。
しかし凄まじい行列やら困難は絶えない。
故に最期の最後まで緊張感が途絶えない笑。
どうにか飛行機の座席まで着くとやっと一安心。
さあもう一度スリランカ。
1泊だけだがどんなことになるのだろう。
旅は続く
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J.A.K.A.M. (JUZU a.k.a. MOOCHY / NXS /CROSSPOINT)
http://www.nxs.jp/
https://linktr.ee/JAKAM
東京出身。15歳からバンドとDJの活動を並行して始め、スケートボードを通して知り合ったメンバーで結成されたバンドEvilPowersMeの音源は、結成後すぐにアメリカのイラストレイターPusheadのレーベル等からリリースされる。DJとしてもその革新的でオリジナルなスタイルが一世を風靡し、瞬く間に国内外の巨大なフェスからアンダーグランドなパーティまで活動が展開される。 ソロの楽曲制作としても米Grand RoyalからのBuffalo Daughterのリミックスを皮切りに、Boredoms等のリミックス等メジャー、インディー問わず様々なレーベルからリリースされる。2003年にキューバで現地ミュージシャンとレコーディングツアーを敢行したのを皮切りに、その後世界各地で録音を重ね、新たなWorld Musicの指針として、立ち上げたレーベルCROSSPOINTを始動。
2015年から始まった怒濤の9ヶ月連続ヴァイナルリリースは大きな話題になり、その影響でベルリン/イスラエルのレーベルMalka Tutiなどからワールドワイドにリリースされ、DJ TASAKAとのHIGHTIME Inc.、Nitro Microphone UndergroundのMACKA-CHINとPART2STYLEのMaLとのユニットZEN RYDAZ、Minilogue/Son KiteのMarcus HenrikssonとKuniyukiとのユニットMYSTICSなど、そのオリジナルなヴィジョンは、あらゆるジャンルをまたぎ、拡散し続けている。また音楽制作のみならず、映像作品、絵本や画集 のプロデュース、野外フェスOoneness Camp”縄文と再生”を企画するなど活動は多岐に渡る。