スリランカ・イスラエル番外編
スリランカ
2023年3月7日~3月9日
久しぶり?のスリランカ。
あまりにも濃厚なパキスタンでの体験が2月14日から約3週間あり、
コロンボ空港に着いて何故かほっとする。
しかし!
行きにも面倒だったトランジットで、同じ様にホテルに1泊するのに空港から出ようとするだけで、
意味不明にお金を請求される問題がまた勃発。。
せこい。。。
こちらも無駄金を払いたくないので辛抱強く、交渉を続け、どうにか金を払わずに空港から出れる。。
こんなやり取りもそれはそれはストレスで、しかも熱帯の暑さも伴い脂汗をかく。
いわゆる第三世界では、このワイロ的なものを要求してくる輩に対処するのは避けて通れない。
それが低所得者ではなくいつも中間管理職系の小金持ちなのに腹が立つ。
経験的な本当の低所得者層はせびっては来るがいやらしくは無い。
肌の色、国籍関係なく、セコイ奴はなんとなくツラで察知できるようになったのは経験から来る能力か。。
ともかく大幅に遅れてしまったがやっと空港の外へ。
この空港から出た瞬間ってのは何回体験してもワクワクと緊張が入り混じる。
国内でもそれは多少はあるけど、やはりこういう第三世界のタカリが押し寄せてくる感じは慣れてくると思わず笑っちゃう。
何を笑うって払えなさそうと見定められると、いきなり無視されること!
彼らにとっては自分の価値は経済的なものでしかない笑。
幼少の頃、自分の幼馴染を卑下しながら金持ちの子には媚びへつらう副園長のババアを見て、
本当に幻滅したし怒りが込み上げたのを今でもしっかりと覚えている。。
子供ながらになんて汚い奴だろうと思った。
人を金としか見てない輩にはなりたくない、と思ったのかな。。
5歳くらいだから決心なんてものは無いと思うが、ちゃんと見ていたし、感じていた。
そんなトラウマも思い出すが、そんな事も外国ではこっちも言ってられない。
どうにか空港を出れたと、宿も頼んでいた行きで知り合ったタクシードライバーに
予め、また帰国時に夜から頼むねと伝えていたので、連絡すると、
なんと自分は今そっちにいないから親戚の奴が来るから、待っててくれと。
オーっとまた予期せぬ事態。。
ともかく信じるしかない。
空港のタカリを押し分け奥の方で一服してると若者カップルからライターを貸してくれと。
どこから来たの、と聞くとイスラエルと。
ほう。俺もDJで行ったことあるよ、と。
しばし会話。
経験的に出身国を聞いた途端、何か緊張感を醸し出すのはイスラエルという敵が多い場所だからか。
彼らの目がシリアスになるのは見逃さなかった。
今さっきこのドキュメンタリーを見たのだが、
https://asiandocs.co.jp/contents/1580
とても内容の濃い作品で、今までパレスチナ関係のドキュメントはたくさん見てきたが、
この作品が特出してるのは、アメリカで生まれたが、いわゆるユダヤ人としての教育を受けてきた人間が、
その洗脳と言っても過言ではないイスラエル中心主義的教育から脱して、
ちゃんと地球人として、世界を、パレスチナ、エルサレムの現状を
見て、動き出したことを中心に捉えているところで、その視点での作品はあまり見たことがなかった。
今から3年前のパーティー中にハマスが襲撃して、みたいな騒動は
個人的には9.11と全く同じ、マッチポンプだと思っているが、
そこで今後危惧すべきは、より過剰になるパレスチナ住民に対してのイスラエル軍による虐殺によって、
世論がイスラエル批判、その先にあるユダヤ人批判が起こることだと思っていた。
何回か述べてるかもしれないが、自分はイスラエル出身のKatzeleという青年から2015年にアクセスがあり、
彼がやり始めたレーベルMalka Tutiからリリースしてほしいというオファーを受けた。
https://malkatuti.bandcamp.com
https://malkatuti.bandcamp.com/album/rebirth-feat-remixes-by-gilbr-dreems
https://malkatuti.bandcamp.com/album/wabi-sabi
https://malkatuti.bandcamp.com/album/the-dna-sessions
人種差別的発言を笑いのネタにしてるような親父の本棚にあった広瀬隆の『赤い盾』という本を手に取ると
そこには幼少から感じ考えていた戦争が起き、経済的差別が起きている一つの理由、事実が述べられていた。
ロスチャイルドという
ユダヤ人の一家が金融つまり金貸し業で財を成し、ゆくゆく戦争を操り世界経済をも支配していくという話。
日本も明治時代手前、つまり江戸時代にはロスチャイルドが参入し、薩長連合、幕府側双方に武器を売りつけ、
結局天皇を表に出しながらも奥でそれをコントロールしていたという事実、
小さい頃から歴史に興味あり、特に日本史は頼まれもしないのに自分でノートにまとめるような少年だったので、世界規模で動くその家族に驚愕したし、
12歳の時に知ったPublicEnemyというグループからアメリカの黒人たちが奴隷としてアフリカから拉致されていた事実背景にもそこが噛んでいて、
全てのカラクリが理解できた14歳。
つまりこの日本の政府も未だ、当然コントロール配下なわけで、
その最も重要なロスチャイルドの名前が付けられた通り沿いにある
イスラエル首都テルアビブのクラブに2018年DJとして呼ばれた時はそれは感慨深かった。
スリランカから脱線するが2018年のイスラエルに戻ってみる。
ちゃんとスリランカには戻るので笑
フランス、リヨンで招かれたフェスでライブを二本こなし、
パリで急遽DJをやり、ベルリンで先述したKatzeleと再開してお金の精算もして笑、
いざイスラエル。
正直相当緊張していた。
何故かというとその数年前には東京代々木で行われていたパレスチナ支援のデモにスピーカーも提供し、
完全に協力していたし、その当時頻繁に書いていたコラムにもイスラエルの強引な成立の仕方やモサドの横暴や、
いかに日本の原発、核産業と繋がってるかなどを書きまくっていたからだ。
周りからの情報でもイスラエルに入国する人間は完全に調べ上げられてると聞いていた。
はっきり言って親イスラエルでは無いのは明らかな、もっと言えば反イスラエルな招かざる客が、招待されるという矛盾。
しかし、なぜか全くお咎めもチェックもなくすんなりゲートを通過。。。
逆に尾行されたりしてるんじゃ無いかと勘繰るが、、
空港の外にはMalka Tutiのもう一人Asafが迎えにきてくれていた。
相当ボロい汚い車なのにも驚くが、彼のお母さんから借りた車らしい。
母子家庭でそんな感じなのかな。。
イスラエルというと金持ち、というイメージは偏見なのだろう。
当然どこにでもどんな人種にでもどんな家庭にでもブルースはある。
彼は強制される徴兵にも応じて、爆弾処理班で働いていたというのは前年の2017年に東京にぷらっと来て、
Bonoboで急遽DJを一緒にしたり、いろいろ話は聞いていた。
その流れもあり、今回のイスラエルは彼がサポートしてくれた。
とにかくヘブライ語だらけに興奮。
全く読めない。。笑
観光客というより、欧米のユダヤ人がイスラエルに来るのもあり、日本よりは英語も通じそうだ。
昨晩着いて早々腹減ったと言ったら当地のハンバーガ屋に連れてかれると、ちゃんとチーズバーガーが無い。
昔親父からもらった旧約聖書の文庫にも書いてあったが、その肉と乳を一緒に食べるな、という教えからだと確信!
おーちゃんと言い伝えをこういうところでも守ってるんだ!と感心。
ブランチもご馳走になったが、何か古いスタイルと新しいスタイルが混ざっている食事でとても興味深い。
Asafが今日忙しいから日中これ貸すから、と。
日本でも西成くらいでしか見ないようなオンボロチャリ!
まさかのイスラエルで単独行動withコレ笑
コイツと二人だけだからなんだか愛着湧いてきた笑
小腹も減ったし、飲み物も買いたいし、いわゆる庶民のスーパーに。
スーパーは現地の状況がよくわかるから好き。
とにかく豊かだな、という印象。
まだパレスチナには行ったことはないが、絶対こういう状況では無いはず。
故に色々と複雑な心境にはなる。
基本乾燥した地帯で日本では見かけない植物も多々。
結局5-6時間一人で色々走りまくり、結構遠くまで行ったらしく後でAsafに見たものを言ったら驚いていた。
ともかく夕飯をまたご馳走になる。
下記はそのレストランの近くにあったシナゴーグ。
ユダヤ教のモスクや教会にあたる。
下記はその近所にあるファラフェル屋。
その近くにあった楽器屋。
当然、エリア的にアラブ系の楽器が目立つ。
次の日はエルサレムに行ってみたい、という要望を出すとAsafの伯母さんと行こう、ということになった。
彼女も外国との交流がある人でとても感じのいい人だった。
合流して程なく、
不思議な空間でピアノを弾くお爺さん。
アラブ的でもありながら、それとは明らかに違うユダヤ、イスラエル的な旋律。
『悲しみ』を想起せざるを得ない何か。
下記はAsafがフレッシュジュースを奢ってくれた店なのだが、
とても民族的、宗教的なものを感じる。
東京でいう築地みたいなところで、現地の人用に基本ヘブライ語で読めないが、庶民の、どこにでもある市場。
当然ちょこちょこ軍人はいる。
そしていよいよエルサレム。
世界でも最も因縁深い聖地。
そして巨大な観光地。
イスラム、キリスト教、そしてユダヤ教の聖地。
このアラブエリアにそれがあるというのは当然下地としてその文化がある。
食事、衣装、音楽など
文化というのは国籍や肌の色ではなく、エリア、風土から生まれる。
風や土。
かの有名な嘆きの壁。
ちょうどこの時期ラマダン中で、モスクには行けなかった。
遠くに見える金色の屋根が、ここエルサレム最大のモスク。
嘆きの壁のすぐ横だ。
こんなに至近距離にあるとは。。
1918年にオスマントルコ帝国が大英帝国に負け、この地は変わる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/イスラエル
上記によると
1929年、嘆きの壁事件が発生した。アラブ人によるユダヤ人襲撃が行われ、133名のユダヤ人が殺害され339名が負傷した。
アラブ人にも110名の死者が出たが、そのほとんどはイギリスの警察や軍によるものだった。
この事件を受けイギリスは2つの調査委員会を派遣した。調査委員会はどちらも、
事件の要因はユダヤ人移民のコミュニティーが大きくなり、アラブ人がそれに脅威を感じたこととし、
ユダヤ人の移民と土地購入について再検討を勧告した。一時は勧告に従った白書が出るものの、
ユダヤ側の反発に遭って撤回され、方針が変わることはなかった。
ということでその時期このエリアの状況が変わり、
ナチスによるホロコーストの後、
1948年イスラエルという国家が独立する。
詳しくはそれぞれ調べてもらいたいが、
とにかくこの場所はユダヤ人もいたが、基本はアラブ系の人のエリアだったのは間違いない。
そもそもその違いはなんなのだろう?
自分には外見的な違いもわからない。
確かに典型的なユダヤ系の顔、というのはなんとなく分かる。
まさにAsafやその伯母さんの顔、名前も典型的なユダヤ系なのだと思う。
何千年も前、いや何万年も前からここには人がいたのだろう。
一体誰が先住民???
どんな顔?
どんな人種?
人種って?
古い写真にはまだイスラエルという国家が無い状況を語ってくれる。
今も宗教を超えて、ここを愛す人たちが住んでいる。
様々な感情、思考が頭を巡る。
国家とは、、
想定していた以上にパレスチナも感じた。
今回あくまでDJとして
イスラエルに招かれているので、パレスチナまで行くのは辞めておいた。
次回、インシャッラー。
アラビア語では平和をサラームと言う。
ヘブライ語ではシャロームと。
音声はほとんど違いない。
そう兄弟のようだ。
愛している模様や絵、
味や歌。
景色。
スパイスの様に微分的にそれは含んでいる。
もはや冗談として皮肉るTシャツ屋。
入り組んだ文化。
そう、かつては共存していたのだ。
何がそれを断絶させ、今も争わせているのか?
その夜はAsafの仲間たちが自分のステイ先に集まり、夜遅くまで飲んで吸って、討論。
左から2番目の人がレーベルオーナーでジャマイカ音楽も詳しく、
訪れたことがあると言うので、自分も行った話をすると、どっちが沸かせてくれるのかの勝負にいつの間にかなった。
こういうディベートというか言葉の戦い、それはユーモアも含むが知的な遊びがユダヤ的だと後で友人から聞いた。
それでもこの写真には映ってない彼らの若い仲間の一人はなんとJ.A.K.A.M.のShadowDanceが相当好きで、
サインしてくれ、とわざわざレコードを持ってきてくれた。
心底嬉しかった。
国籍や人種や宗教を超えてリスペクトし合えることは可能だ!と確信した。
その飲み会の後、一人でまた近所のファラフェル屋に。
覚えていてくれていた。
この味が好きなんだ。
イスラエルとかユダヤがとかではなく。
金、紙幣はそれを主張するが、、
まだスリランカに戻れないが、、
旅は続く
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J.A.K.A.M. (JUZU a.k.a. MOOCHY / NXS /CROSSPOINT)
http://www.nxs.jp/
https://linktr.ee/JAKAM
東京出身。15歳からバンドとDJの活動を並行して始め、スケートボードを通して知り合ったメンバーで結成されたバンドEvilPowersMeの音源は、結成後すぐにアメリカのイラストレイターPusheadのレーベル等からリリースされる。DJとしてもその革新的でオリジナルなスタイルが一世を風靡し、瞬く間に国内外の巨大なフェスからアンダーグランドなパーティまで活動が展開される。 ソロの楽曲制作としても米Grand RoyalからのBuffalo Daughterのリミックスを皮切りに、Boredoms等のリミックス等メジャー、インディー問わず様々なレーベルからリリースされる。2003年にキューバで現地ミュージシャンとレコーディングツアーを敢行したのを皮切りに、その後世界各地で録音を重ね、新たなWorld Musicの指針として、立ち上げたレーベルCROSSPOINTを始動。
2015年から始まった怒濤の9ヶ月連続ヴァイナルリリースは大きな話題になり、その影響でベルリン/イスラエルのレーベルMalka Tutiなどからワールドワイドにリリースされ、DJ TASAKAとのHIGHTIME Inc.、Nitro Microphone UndergroundのMACKA-CHINとPART2STYLEのMaLとのユニットZEN RYDAZ、Minilogue/Son KiteのMarcus HenrikssonとKuniyukiとのユニットMYSTICSなど、そのオリジナルなヴィジョンは、あらゆるジャンルをまたぎ、拡散し続けている。また音楽制作のみならず、映像作品、絵本や画集 のプロデュース、野外フェスOoneness Camp”縄文と再生”を企画するなど活動は多岐に渡る。