THAT IS GOOD THAT IS GOOD

音に導かれる旅 パキスタン 荒野の中に見る未来6

パキスタン 
2023年2月13日~3月7日

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重く緊張した空気の中起床し、ホテルのロビーで朝食を。
イングリッシュブレックファストかローカルか?
と聞かれ、当然ローカルと答えると、
カレー感のある食べ物が。

飯がうまいと、気分もアガる!

兎にも角にも部屋にいたって始まらない。

恒例になりつつある、博物館に午前中行き、その後楽器屋を廻ったり、レコード屋は無いだろうけど、
音楽に関わるお店を当たっていこう、と初めての明るいぺシャワール市街地を歩き、
中心部までリキシャー(バイクタクシー)で向かう。

途中、車内で結婚式関連の車と並走し、少し和む。
2012年、トルコの東の果て、デイアルバクルからハッキャーリというところまで向かった時、
イスタンブールの友人たちから、『なんであんなテロリストの巣窟になってる危険な街に行くの?』
と聞かれたことがあるが、あの時は一応2人。
今回は完全な単独行動。

でも単独だからこそ、自由があり、可能性が大きい、と解釈。

https://youtube.com/shorts/DtmvmDU2lhw?feature=share

程なくペシャワール歴史博物館に到着。

お客も当然少なく、ゲートの人もユルユル。

ともかく、初見からいい感じ。

ラホールよりもよりガンダーラに近くなり、アフガニスタン国境沿い、というのもあり、
あの有名な仏像破壊で有名になったバーミヤンもすぐ近く?

とにかく仏陀の面影がそこかしこに。

かつて、この地でここまで作られてきた仏像、仏教という宗教は、今現在全く感じれないのも興味深い。
どのようなプロセスで、どれくらいの時間をかけて、イスラム化したのだろうか?


具体的には、紀元前6世紀から始まった仏教というムーブメント、
その後、西暦610年から始まったイスラムムーブメント、
その過程はどんなドラマがあったのだろう。

宗教というのは当然ものすごくセンシティブな話で、地域ごと信仰を変える、
というのは並大抵のことではない。

一応イスラムの教え的には、強制的にムスリムにすることは禁じられているので、
自らそれを望んだ人が大半だと思う。

自分自体も当然仏教の影響の濃い土地で育ったので、
祖母の毎日上げる線香の匂いは感じてたし、
手塚治虫氏関連の漫画から、たとえフィクションだとしても仏陀の生き様は感じてたし、
漠然と影響され、20代前半はチベット密教なども少し勉強した。
私見だが、仏教はすごくパーソナルなもので、いわゆるサイケデリックなものだと思っている。

しかし、イスラムは2011年から自分がかなり研究した結果、
社会的な側面がすごく強い宗教で、それがその地の政治とも関係してくるし、
経済や文化にも影響を与えるものだと思っている。
だから、この流れはココだけに限らず、世界中に現在進行形で深い影響を与えている。

現在20億人近くいるムスリム。
自分もセネガルでの神秘?体験からイスラム化をして、その流れもあって、ココにきてる。

マーシャッラー

ともかく楽器発見!
そう!この左上の楽器!
アフガンルバーブ!

下記はより中東、中央アジアな感じが。

下記はカラチで観たバロチスタンから来たミュージシャンが演奏してたもの!

段々とこのエリアの楽器にリアリティー/愛着を持ち始めれてるのが嬉しい。

アクセサリーも好きなスタイル。

下記のこの民族衣装は現在ではあまりなさそうな、
ソビエト侵攻までのアフガニスタンのスタイルかなと。

下記のこの衣装とか、どれだけの手間がかかって作られてるのか、、、
現在でもお金をかけさせれば、このようなパッチワーク的なものは作れるとは思うが、
ビジネスとはまた違う次元、まさに芸術品だと思う。

月並みな言い方だが、『愛』を感じる。

そして銃。

この博物館では相当な量の、歴史ある銃が展示されていた。
自分も男なので剣や銃は若い時は好きだった。

強くなる、という願望は男は幼少から根付いているので、それに武器は付加価値だとしても、
現実的に『強さ』を得れる。

素手の争いから、石や棍棒、そして剣、からの銃。
今は原爆どころか、いろんな形で『武器』は大きな影響を持つ。

部族、国もまた『強さ』が無ければ、やられるのだ。

それこそ銃の発明は、現在も続く世界戦争の大きな起点で、
中国、アラビア、インドがその起源を主張してるが、
イギリスで起きた産業革命以降の銃、爆弾などの大量破壊兵器の開発から世界史は大きく変わったのは間違いない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/銃

https://ja.wikipedia.org/wiki/大量破壊兵器

このアフガンエリアもまたその産業革命以降、その大量破壊兵器とともに、西欧諸国の餌食となり、
かつてガンダーラとして繁栄した影は今は薄い。。

古いカリグラフィー

https://ja.wikipedia.org/wiki/カリグラフィー

からペルシャを感じる。

そう、このエリアのメインの住人パシュトゥーン族はペルシャ系の血筋が主で、
楽器もまたペルシャからの影響が強い。

個人的には2011年頃からイスラムとともに、中東、中央アジア圏の文化を探っていくと
ホラーサーンという名前にぶつかる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ホラーサーン

まさに産業革命以前の世界の中でこのエリアは最先端だったのだ。

だからこそ、その響きは深く、気高い。

上記のカリグラフィーの青に特に感銘を受け、
去年出したアルバム『FRAGMENTS』に青は重要な色として注入された。

今見ても本当に美しいと思う。

イスラムの中では偶像を描くことは禁じられているので、
限定された中で生み出されたセンスや技術で、そのレベルの高さを競っていたと思うのだが、
アラビア語の意味はわからずとも(多くは神への賛美)、その崇高な精神性は感じれる。

ラホールほどの規模では無かったが、この土地の雰囲気は感じられ、大満足。

しかし、特に出会いも無く、未だふりだしのまま。

とにかくGoogleなどで検索して、Music Storeに手当たり次第チェックを入れ、
聞き込み調査に向かう。

割と大きな街で、歩きではどうにもならないことはすぐに理解し、
またリキシャーで英語がわからないようだが、説明して、向かってもらう。

https://youtube.com/shorts/W2kb5pHnvY8?feature=share

https://youtube.com/shorts/bg5A4KjVris?feature=share

https://youtube.com/shorts/qTGshbdDegQ?feature=share

巨大な混雑するマーケットに突入し、そこで降ろしてもらい歩きで色々廻る。

https://youtube.com/shorts/qTGshbdDegQ?feature=share

で、見つけたアフガンルバーブショップ!と言ってもいい位の楽器屋!

日本で言うアメ横の一画みたいな小さな店舗がひしめくアーケイドみたいなところにこの手のお店が何軒かあり、
下記の人が本当に少しだけ英語が出来たので、色々聞くのだが、
会話としては成立せず、ミュージシャンを探していて、という自分の意図が全く通じない。。

https://youtube.com/shorts/UIpYBqt9xSE?feature=share

物珍しい、単独行動してる、怪しい見かけの巨大な東洋人にみんな興味津々だが、、
困ったな~
と言う状況。。

ともかくやっとアフガンルバーブのリアリティーは増してきたのがひとまず嬉しい。

とにかくココ、ペシャワールでの滞在は帰国予定から逆算すると、5日間ほど。
決して猶予は無い。

決して暑くは無い気候だが、汗だくで街を歩き、楽器屋、音楽にまつわる店を訪ねる。
少し郊外のエリアで楽器屋がかつてあったところに行くと面影も無い。
近くの寄り合い公民館みたいなところで、お茶でも飲んでけ、と道を尋ねた人に誘われ、
そこで英語ができる奴がいるから少し待て、と。

そこで登場したのが下記の男、通称ティプ。

見かけが完全にタリバンというか笑、
本人も自分で言ってたけど『ライオン』感のある男で、
ケンカ強そうだなという第一印象(笑)
野獣性とともにリーダーとしての責任感が強いことは後で知ることになるが!

https://youtube.com/shorts/PZgEVEVayrQ?feature=share

ともかく会話として十分成立するくらい英語が喋れる!
早速、彼のバイクの後ろに乗り、楽器屋に向かうが、

https://youtube.com/shorts/PZgEVEVayrQ?feature=share

上記の楽器屋に彼のバイクで連れてかれ、さっきここ来たんだと伝えると、
『分かった、まあひとまず俺の店で昼食を食おう』
とアーケード街というかメディナの様な迷路状態の、
東京で言ったらアメ横のもっと古い感じというか。

https://youtube.com/shorts/lueeT3H-D78?feature=share

そんなこんなで連れたかれたのがサンダル屋。
彼はこの経営もやってるらしい。
部下の若い子にこんな料理を運ばせ、いきなりご馳走になる。

https://youtube.com/shorts/0u-QtTGAQnA?feature=share

普通に最高に美味い!

働いてる子も少し英語ができて、18歳で、
アフガニスタンから避難というか家族で移住して2年くらいとか。

誠実そうないい子だった。

そこでティプに自分は音楽を作っていて、アフガンルバーブなど演奏者を探して、
レコーディングしたいという今回の旅の意図を話すと、
『分かった。俺に全て任せろ。
俺は50丁までの武器を持ってるライセンス持ってるし』
って免許証みたいなものを見せてくれた笑

ともかく何も無い状況から蜘蛛の糸が落ちてきたと信じるしかない!
ビビっても他に道は特に無いし苦笑

インシャッラー
神の思し召し

https://youtube.com/shorts/3ttT8t_Hpkk?feature=share

再びティプのバイクにまたがり、ミュージシャンが溜まってるビルに連れていかれる。
細かい事情はわからないが、とにかくバンド、というかグループにつき一部屋借りていて、
ミーティングや練習やらダラダラお茶飲んだりする用の楽屋?

そのビルが何回かわからないが、4フロアくらい?
合計12-3くらいのグループがいるのか、、?

全く状況がわからないまま
演奏が始まる。

まずは上のおじさん(多分年齢下かも笑)がルバーブを演奏してくれる。
色々できるバンドリーダーの様で他にも色々楽器を演奏してくれるが、
バンドメンバーがやってくると

いきなり凄まじくて大興奮!
この時点で『来てよかった~!』ってなっていた!

このルバーブ奏者が特に感動して、以前書いたようにイスランブールでYAKAZA ENSEMBLEという
CROSSPOINTからもリリースしたトルコのバンドのメンバーErayがアフガンルバーブ演奏者で録音したことがあるが、
やはり彼は地元の人ではなく、自分たちの様にまずはギター(特にメタル)を弾いていた流れで、
ルバーブが好きになり、パキスタンで購入をわざわざして演奏してる感じとは全く違う、
完全に『現地の人感』というか、トルコ人の真面目で繊細なある意味、京都人とも近い演奏とは違う、
荒々しさ、というか、獣感というか、、
とにかくワイルドな演奏を聞けて、改めて、民族音楽の逞しさを感じられた。
これはとても重要なことだと思う。

誰かも言っていたが、民族楽器は過去のものではなくて、博物館に入れられて大事にされ、保管されるものでは無く、
『イマ』に生きなければならない。

これは生物、生存競争の真っ只中という意味だ。

完全に脳内モルヒネが爆発してきたが、ティプは冷静に(演奏中はノリノリだったが笑)
他のミュージシャンの演奏も聞いてみようと何部屋か廻った。

色々聴かせて貰ったが、自分的には最初のルバーブ奏者が良かった、と伝えたのだが、
明日以降、という話になったようだ、、

ともかく、前途は明るい!

うちで夕飯も食って行け、と言われ、断る理由は無い。

その前に、街でサンダル買おうと思ってるから付き合ってくれ、
とまた親戚だかのサンダル屋で物色に付き合う。
自分も勧められたが、サンダルを買う予定もなかったし、
必要ともしてない笑

https://youtube.com/shorts/hEzBQaQ62nw?feature=share

だが、彼らの日常会話を聞いたり、感じることで、
この地の人たちの感じを掴める有意義な時間だ。

段々日も暮れ、街にムードが出てくる。

当然酒が入ってない街なので、穏やかというか、落ち着いた雰囲気に。
それぞれ仕事がひと段落し、家族や友人たちとの時間に。

https://youtube.com/shorts/CtXhaKhyj8c?feature=share

https://youtube.com/shorts/6Lycie7Fjpk?feature=share

上記はここで起きた戦争の傷跡だ、と言っていた。

ひと段落し、再びティプの後ろに乗って彼の自宅へ!
自分のバイクの運転も荒いらしいが、彼のはその2倍くらいはいってる笑

https://youtube.com/shorts/ots5xkrh5rY?feature=share

https://youtube.com/shorts/_BKcGpguqXU?feature=share

でも、既に『仲間感』が完全に出来上がっていて
(たった数時間前に出会ったのに)
安心できる。

https://youtube.com/shorts/gUnedccu5kI?feature=share

到着。

不思議な趣のある路地。

初めてのペシャワールの人の家。
彼自体の子供は四人だが親戚などもくっついて住んでいるので、
ワチャワチャと。。

https://youtube.com/shorts/byum_S42Qeg?feature=share

みんなドラえもんが好きみたいで、日本になぜかすごく親近感があるらしい笑

ペシャワール初日の夜

なんのツテもない割には悪くない仕上がり。
というか今回の旅で一番温かい。

旅は続く

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J.A.K.A.M. (JUZU a.k.a. MOOCHY / NXS /CROSSPOINT)
http://www.nxs.jp/
https://linktr.ee/JAKAM

東京出身。15歳からバンドとDJの活動を並行して始め、スケートボードを通して知り合ったメンバーで結成されたバンドEvilPowersMeの音源は、結成後すぐにアメリカのイラストレイターPusheadのレーベル等からリリースされる。DJとしてもその革新的でオリジナルなスタイルが一世を風靡し、瞬く間に国内外の巨大なフェスからアンダーグランドなパーティまで活動が展開される。 ソロの楽曲制作としても米Grand RoyalからのBuffalo Daughterのリミックスを皮切りに、Boredoms等のリミックス等メジャー、インディー問わず様々なレーベルからリリースされる。2003年にキューバで現地ミュージシャンとレコーディングツアーを敢行したのを皮切りに、その後世界各地で録音を重ね、新たなWorld Musicの指針として、立ち上げたレーベルCROSSPOINTを始動。
2015年から始まった怒濤の9ヶ月連続ヴァイナルリリースは大きな話題になり、その影響でベルリン/イスラエルのレーベルMalka Tutiなどからワールドワイドにリリースされ、DJ TASAKAとのHIGHTIME Inc.、Nitro Microphone UndergroundのMACKA-CHINとPART2STYLEのMaLとのユニットZEN RYDAZ、Minilogue/Son KiteのMarcus HenrikssonとKuniyukiとのユニットMYSTICSなど、そのオリジナルなヴィジョンは、あらゆるジャンルをまたぎ、拡散し続けている。また音楽制作のみならず、映像作品、絵本や画集 のプロデュース、野外フェスOoneness Camp”縄文と再生”を企画するなど活動は多岐に渡る。

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