2025年、年末の前回から年が明けて早々、
米軍がベネゼエラを攻撃し、大統領夫妻を拉致する、というショッキングな事件が報道された。
その数ヶ月前、先述したエンジニア、プロデューサーのワタナベヨウイチ氏から
このようなニュースが送られてきていたので
米トランプ大統領、対中批判避けるワケ
ベネゼエラ地上攻撃
驚きはしなかったが、逆に冷ややかに、やはりやるんだ、、、
と予め仕込まれた計画が難なく遂行されるこの世界に気分が滅入った。
実はトリニダードは目の前がベネゼエラで、沖縄のようにアメリカの軍事基地があり、
チェベス時代からベネゼエラを狙ってたのは当時からなんとなくは知っていたのだが、、
前回まで書いていた2009年のレコーディング時に、そのヨウイチさんから夜飲んだ後、
ビヨンセみたいな超美人もいるから是非行ってみて!と気軽に言われて行ってみた公式的にはディスコだけど、
裏では完全な売春宿をやってるところにKNDと恐る恐る(笑)行ってみた。
根本的に自分はそういうことはしないので(笑)、興味本位でそういう女の子と英語で話してみたら、
噂通りベネゼエラの子だった。
そして彼女はチャベスなんて酷い存在で、自分達は国内じゃ稼げないから、
こうやってトリニダードまで来てるんだ、と言っていた。
そんなことより、やるの?やらないの?
みたいな追い詰めもあったが(笑)、ベネゼエラに生まれた女の子の悲哀を感じ、
ビールを一本奢って退散した。
そんなベネゼエラは、キューバの様に割と上手くいってる国家ではない、ということは当時に知った。
しかし、だからと言って、まるでその悪い大統領を我々正義の国家アメリカが捕まえてやる、
みたいな完全なる偽善な話は当然納得いくわけがない。
前例を出すまでもなく、
アフガニスタンにおけるタリバン、リビアのカダフィ、イラクのフセイン、、
ベトナム、、、
そして大日本帝国。。
etc,,
アフリカの諸国も含め、どれだけ、アメリカ、CIA,モサドが暗躍して、
国家を破壊してきたか、、
古くはベルギーを中心とした西欧諸国のアフリカ植民地政策、
そもそもアメリカ大陸におけるネイティブアメリカン、インディオ達の虐殺によってできた国家が今の北米、南米の国家だ。
どれだけいわゆる『原住民』政治家として表舞台にいるか??
そして以前書いたエジプトでの『アラブの春』という悲劇も
今現在、イランでもまた!巧妙に行われている。。
今回このような話をしなければならない、と思ったのは
ちょうどトリニダードやスティールパンを改めて学んでみようと購入したこの本がなかなか秀逸で

かなり突っ込んだ政治、社会的な事柄、特に9.11のことから、スティールパンの作り方まで!
そしてこの本に書かれていた1980年代に起こった『パナマ侵攻』時に
パナマの歌手が書いたこの曲の詩が、完全に今回の状況とも被るので再掲載させていただく。
Tiempo de Encruijada
ティエンポ デ エンクルシハダ
詩 曲
Romulo Castro ロムロカストロ
破滅への道にも理由がある
私の言葉は踏みにじられた
決め事は将軍と大統領のエゴと思惑
エゴと思惑の十字路
この命に価値はない
壊れた国家
もうなにもない
米軍がやってきた
喜ぶ人がいる
悲しむ人がいる
私はただ恐ろしさに身を震わせるだけ
SNS上でも米軍を非難する人もいれば、米軍を指示する人もいる。
でもそれはハタからの話で、当事者的にはまさにこの感情だと思う。
いずれにしろ、間違いなく資源争いで、政治のトップがどうだろうが我々一市民にとっては
ただの収奪であり、侵略でしかない。
我々が生まれてからもどれだけの国家侵略が行われてきたのだろう。
自分もこのコラムでキューバから始まり、さまざまな国の体験を書いてきたが、
ワールドミュージック、民族音楽という音世界を垣間見ると、そこにはいわゆる第三世界と
それを牛耳る存在が確実に見え隠れする。
表面的にはリゾート、観光地になっていてもその奥には奴隷制や搾取、資源の収奪が確実に存在することが
現地のミュージシャンや市井の人たちと接すると感じざるを得ない。
この島国も天皇という存在を頂点とした王朝が存在し、沖縄aka琉球やアイヌなど独自の文化、言語を持っていた民族も
その天皇や江戸幕府という帝国に、強制的に、つまり武力で制圧され、全てを奪われ、奴隷とされてきた。
それは白人が、とかアメリカが、とかだけではなく、同じ肌の色、民族でも起こることで、
人類の弱肉強食的世界は原始時代から確実にあったわけで、今に始まった事ではない。
しかし、今その侵略、搾取、制圧は今回のベネゼエラの様にわかりやすいものだけでなく、
教育や政治、経済などでゆっくりと着実に、我々のような民間人もされていることに気づいてないことがまた恐ろしいと思ってる。
多数決で決めるような、いわゆる民主主義的?政治構造も、日本の自民党周辺のように
明らかな何百年も続いた戦争財閥がそこの中枢にあるわけで、
つまり1945年以前からもなにも変わってない、とも言える。
真の独立とは?
真の民主主義とは?
自由とは?
概念そのものが果たして実現可能な理想なのだろうか?
そもそも武力無く成立する国家や民族がかつてあっただろうか?
ある日平和に暮らしていた家族や島人が、部外者から侵略され、
という歴史は終わることがあるのだろうか?
『平和』なんてもの自体がまさに幻想なのかもしれない。
しかし、
自分はそんな『平和』な状況でしか生まれない『音楽』という存在に惹かれ、
ここまできた。
前述した本、『祝祭と暴力』の著者のこの別作品も買ってみて、今読んでるのだが、

現在製作中のタンザニアで2024年に録音してきた作品から中央アフリカのピグミーという民族?を感じ、
いろいろ研究していたのもこの本と被る。
人間はどこから来て、どこへ行くのか?
音楽はいつから存在してるのか?
ちなみに歴史とはイスラエル大使館の人間が文藝春秋のスタッフに説教したように
『我々は歴史さえ作れる』
ということで、学校、つまり国家が用意したその教育は『歴史』とは
国家にとって都合のいい『歴史』なだけで、真の『歴史』というわけではない。
勝者が歴史を作り、
敗者はただ悪者であり、テロリストでしかないのだ。
今現在のパレスチナ市民が全員ハマス(そのものは抵抗してるだけの集団なのに)扱いされ、
赤ん坊や子供まで無差別に虐殺されている現状を見れば明らかだ。
残酷にも、無惨にも、敗者に語る言葉=『歴史』は無いのだ。
それでも、
言葉でなく、文字にも載っていない歌にはその真の『歴史』が刻まれている、と
近年常々感じている。
自分はその真の『歴史』
そうその民族の人類の『記憶』を辿りたく音に耳を傾けている。
どこに向かうべきか、そこにヒントがあると確信している。
未来の行く末は過去にヒントがあるのだ。
次回は音と『宗教』の関係性を中心に語ってみたいと思ってる。
次回はラマダンが始まる新月なので。
旅は続く
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J.A.K.A.M. (JUZU a.k.a. MOOCHY / NXS /CROSSPOINT)
http://www.nxs.jp/
https://linktr.ee/JAKAM
東京出身。15歳からバンドとDJの活動を並行して始め、スケートボードを通して知り合ったメンバーで結成されたバンドEvilPowersMeの音源は、結成後すぐにアメリカのイラストレイターPusheadのレーベル等からリリースされる。DJとしてもその革新的でオリジナルなスタイルが一世を風靡し、瞬く間に国内外の巨大なフェスからアンダーグランドなパーティまで活動が展開される。 ソロの楽曲制作としても米Grand RoyalからのBuffalo Daughterのリミックスを皮切りに、Boredoms等のリミックス等メジャー、インディー問わず様々なレーベルからリリースされる。2003年にキューバで現地ミュージシャンとレコーディングツアーを敢行したのを皮切りに、その後世界各地で録音を重ね、新たなWorld Musicの指針として、立ち上げたレーベルCROSSPOINTを始動。
2015年から始まった怒濤の9ヶ月連続ヴァイナルリリースは大きな話題になり、その影響でベルリン/イスラエルのレーベルMalka Tutiなどからワールドワイドにリリースされ、DJ TASAKAとのHIGHTIME Inc.、Nitro Microphone UndergroundのMACKA-CHINとPART2STYLEのMaLとのユニットZEN RYDAZ、Minilogue/Son KiteのMarcus HenrikssonとKuniyukiとのユニットMYSTICSなど、そのオリジナルなヴィジョンは、あらゆるジャンルをまたぎ、拡散し続けている。また音楽制作のみならず、映像作品、絵本や画集 のプロデュース、野外フェスOoneness Camp”縄文と再生”を企画するなど活動は多岐に渡る。